戦略の柱
戦略という言葉は、経営戦略、事業戦略、販売戦略・・と、いろんな場面で使われています。
戦略とは、 フリー百科事典『ウィキペディア』では、
「特定の目標達成のために総合的な調整を通じて力と資源を効果的に運用する技術であり、科学でもある」
と定義されています。
ゲームの理論で有名な数学者、ナッシュを描いた映画で、ビューティフルマインドというのがありましたが、 この天才数学者は、公園のハトの動きまで予測しようとしました。
一見無謀なようですが、実際、集団が大きいほど、心理や習性までを加味した、 数学的予測は精度を増します。
そして、こういう全体的な、 マクロな視点での考察は、戦略策定には欠かせません。
また、“個”を見るミクロな視点でのペルソナ的考察は、戦術策定 に大きな威力を発揮するものと考えています。
こうして、戦略を展開する戦術が決まったら、 必ず、この戦術で、かの戦略が実現できるのかどうかを再度考える・・・ 私は、こんなことを業としているわけです。
でも、難しく考えないでくださいね。
そんな難しいことを考えないでも、 ちゃんと世の中をよんで、ひとの動きを捉えたビジネスを展開されている方は、たくさんおられますし、
私の経験的にも、リアルなビジネスを考えるとき、 あまり学問的に追求する必要はないんじゃないかなとも思うのです。
大学でも理系の経済を学び、経営をシミュレーションや統計学から考えることを専門として、 そのままそれを生業としているくせに、なんてイイカゲンな!って叱られそうですけど・・・
現実には、
取り巻くステークホルダー(関係者:従業員、取引先、顧客、社会、行政など)を理解し、 推測し、それぞれに満足を与えられる術を考えるという
思いやりと理解といった感覚的な部分が、 前述の難しげな戦略や戦術のあれこれと、一致するところが面白いものです。
ですから、戦略の柱は、「ひと」を
・理解し
・思いやり
・対象の満足の方向と感動の程度を推測し
・その満足を与える術を考える
ことと言えるかもしれません。
つまり、ビジネスにからむ戦略って、 顧客がいかに満足するかを必死に考える「思いやり」なんですね。
ゲームの理論もランチェスターもいろんなマーケティングの理論も、
その柱があってこそ、意味を持つのでは・・・・
では、顧客の満足って、いったいなんでしょう。
駅前などで、ティッシュやその他試供品を配っていることがあります。
貰うひと、貰わないひと、いろいろですが、タダだっていうのに、 みんなそんなに大満足はしていないようです。
時には、貰って迷惑ということも・・・だったら、 顧客の満足は、低価格ということだけではないのですよね。
ひとが満足する場面とは、
【期待以上の】または
【自分が通常受けられるレベル以上の】何かを得られたときってことなのだと思います。